2008年10月27日月曜日

『山谷の実態把握してない』 知事のネットカフェ難民発言 台東区、区議会が抗議文

2008年10月8日

 石原慎太郎知事が、インターネットカフェに寝泊まりする「ネットカフェ難民」問題をめぐり、「山谷に行けば二百-三百円の安い宿がいっぱいある」などと発言したことを受け、山谷地区のある台東区と同区議会は七日、「(山谷地区の)実態を正確に把握していない」などとして、発言の撤回と謝罪を求める抗議文を都に提出した。

 抗議文では「外国人観光客の利用も増え、山谷のイメージが変化しつつある中、この発言によりイメージが著しく損なわれた」と批判している。

 同日、記者会見した吉住弘区長は「山谷問題への都や区の取り組みに認識がない。東京都のトップがいまだにそういう認識なのは非常に残念」、木下悦希議長も「驚きとともに怒りを覚えた。議会全会一致で提出を決めた」などと話した。

 石原知事は三日の定例記者会見で、日雇い労働者らの簡易宿泊所が多い山谷地区を引き合いに、「そこに行かずに、ファッションみたいな形で(ネットカフェに一晩あたり)千五百円払って泊まって、『大変だ。助けて』と言うのは(どうか)」などと述べた。 (安藤淳)

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 石原知事の今回の発言について、山谷地区で長年簡易宿泊所を営む男性(76)は「区の抗議は当然」と歓迎した。男性は「昔の山谷の宿泊代は確かに安かったが、今は最も安い所でも相部屋で一泊八百円程度で、大体千円から。二○○二年のサッカーの日韓ワールドカップ(W杯)以来、外国人旅行客の利用が増えるなど、山谷は大きく変わった。石原知事にはぜひ、今の山谷を見に来ていただきたい」と語った。

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